[2017-10-11] 農地法第3条の3の届出(農地の相続等の届出)について

 

農地法第3条の3の届出とは、「農地法3条の許可をしないで所有権、地上権、永小作権、質権、使用貸借権、賃借権を取得した場合その取得者は、遅滞なく、その農地のある市町村の農業委員会にその旨を届出なければならない。」というものです。平成21年12月の改正農地法の施行によって追加されました。

では、農地法第3条の許可をしないで所有権、地上権、永小作権、質権、使用貸借権、賃借権を取得した場合とは、どんな場合でしょうか?

多いのは相続で権利を取得した場合ですが、法人の合併に伴う承継、離婚時における財産分与に関する裁判若しくは調停又は特別縁故者に対する相続財産の分与に関する裁判による場合、時効取得、包括遺贈、共有持分の放棄による場合などもあります。

なお、この届出は義務であり、届出をしない場合や虚偽の届出をした場合、権利取得者は10万円以下の過料を処せられることがあります。

【農地法第3条の3】
農地又は採草放牧地について第3条第1項本文に掲げる権利を取得した者は、同項の許可を受けてこれらの権利を取得した場合、同項各号(第十二号及び第十六号を除く。)のいずれかに該当する場合その他農林水産省令で定める場合を除き、遅滞なく、農林水産省令で定めるところにより、その農地又は採草放牧地の存する市町村の農業委員会にその旨を届け出なければならない。

※第3条第1項本文 農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。

 

ちなみに、平成23年には「農地基本台帳整備の促進」として「農業経営の基盤となる農地を保全するためには所有者等の情報の正確な把握が必要不可欠であることから、改正農地法で義務付けられた農地相続時の届出が適確になされるよう、市町村に対し当該制度の周知徹底を図る」とした閣議決定がなされ、これを受けて農林水産省から「市町村に対する農地の相続時の届出制度の周知徹底について」通知が出されています。

農地の相続時の届出制度の周知徹底について